連休で心身ともにだれていた私。
なんだかドキドキしたくてこの1本を手に取りました。
色気漂う華仔に自らヤラレに行ってまいりました。
自分のブログを振り返ってみたらこの感想は書いてなかったんですねぇ。
華仔の映画を鬼のように観出した時期とブログを始めた時期にタイムラグあるので、結構アップしてない作品も多いみたいです。
これから、そういう感想も書いていけたらなぁと思います。
でも絶対最初に観た時の感想のほうがおもしろいような気も…。
いや、その比較がおもしろいのかな。
これを初めて観た頃は「また黒社会モノ…」「なぜにこんなに人が死ぬの?(華仔含む)」とどーしても思ってしまっていたので。辛口だったかしら。
今観直すと、もうちょっと人物の心情を奥深く観れるような気もするので、やっぱり比較してみたかったなぁ。
と、脱線しました。映画の感想です。
アンディはチンピラ役。
あるとき、ボスの息子を守った手柄から幹部に昇格し、組織一の武闘派と呼ばれるようになる。
しかし、この抗争に巻き込まれ妻を失った事が原因なのか、
活躍したのはたまたまで元々暴力(殺し)が苦手だったのか、
今では仲間内からイヌと呼ばれ、威勢だけはいい情けないチンピラだ。
この役を演じるアンディは見ていられないなぁというのが正直なところ。
普段のアンディとは正反対の位置にいるような、中途半端で考える事を放棄してしまうタイプで、その結果自らを不満足な現状に追いやっているように思います。
周りの一般男性に対しても「無理に威勢を張らなくていいのに…」「かっこ悪くたっていいじゃない」って私は思うんですけど、男性心理としてはそうはいかないんですかねぇ。
でもその内なる善良さ、弱さを女は嗅ぎつけるのか、ディ(アンディ)はモテるモテる。
すぐに死んでしまう奥さんはまぁいいとして(よくないけど)、
その奥さんの親友で身を引いてもずっと思いを寄せていたルビー。
ディが起こした傷害事件を担当する女性弁護士(ジジ・リョン)。
確かにさぁ、こんな人が目の前に現れて、危なげなくて、子供を必死に守ろうとしてて、そんな姿を見たらやっぱり心惹かれちゃうわよね。
わかる、わかるんだけどさ、ディに関連した人、ことごとく不幸になってしまうの。
でも彼女達、多分、「巻き込まれてもいい」、「それくらい大丈夫」って、みんな思ってるはず。(私もそうなる派である)
あと子供。
アンディの黒社会作品における子供&妊婦が安全・安泰・幸せである率は1パーセント未満と思われます。
妊婦が出てきたら流産し、子供だからって容赦されません。
これは香港映画の特徴なのかなぁ。
ハリウッド映画を観てると「今子供を人質にとったら一発よー」とか腹黒く思ってしまうシーンでも、女性&子供には手を出さないのが多いですよねぇ。
いや、昨日ちょうど「レジェンド・オブ・ゾロ」を観ていてそんなシーンがあって。
あと注目したのは、ディは結局誰を愛してたの?ってこと。
身を引いていたルビー、胸元にディと同じタトゥーを彫っていてそれが明らかになって言えずにいた想いをディに打ち明けました。
で、大人だから、多分あの後は仲良しになったと思われ…。
アンディすでに半裸だったし、ちょうどよくベットの上だったし(作戦?大人の駆け引きぃ)。
でもあんな怪我しててご苦労さまであります。
そしてここで流しちゃいけないのがディの気持ち!
「今まで世話かけたな。オレのこともそんなに想ってくれていて。ありがとう。抱きたいよ、今夜、おまえを。」
なのか、はたまた
「何か悪い、そんな風に想ってくれて、こんなに迷惑もかけて。こっちこいよ。」
なのか、それとも
「ありがとう。おまえの想いに応えたいよ、オレ。おいで。」
なのか…。
あれ、いずれにしてもやっぱりそんなに「愛してるぜー」って感じではないんですね。
こういう言葉しか思い浮かばなかったのはやっぱりアンディはその辺しっかり演じてたんだなぁ。
この後現われるジジが本命ってことで。
ジジはこれまた優等生がワルに惹かれるという見本のような役を演じておりました。
「悪い人じゃないの…」
何度も出てきたこの言葉で、チンピラを好きになってしまった自分を弁護しているように思われました。
ワルに弱い優等生女子。
メガネっ娘に弱いワル男子。
この組み合わせは永遠ですなぁ。
アレックス・フォン、サム・リー、幹部の面々、香港映画でおなじみの役者さんたちがいっぱい出てきててうれしかったです。
これにもしっかり潜入捜査官が出ていました。
香港ではそんなにメジャーな存在なのですねぇ。
そうそう、エンディング曲が「你是我的女人」でした!
エンディングで使われると歌詞が訳されて出てくるのがいいですよね。
歌詞カードを見ながら“6月6日…”ってどんな意味なんだろうと思っていましたが、映画の中では延期になった裁判が行われる日。それはつまり…。
ネタバレになってしまうのでここでやめます。
“違う方法で愛してくれた”なんて歌詞に、やっぱりジジがこの映画のヒロインなのねーと、わからせてくれたエンディング曲でした。
でも私、ジジよりルビー姐さんに感情移入してしまったな。